日々現状維持

日暮れて道はなし

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七橋綴(ななつ☆)

Author:七橋綴(ななつ☆)
大学生:♂
2013年―――気づけば今年誕生日を迎えると四捨五入で30歳
地獄の業界、SE業。
NEETになりたい(迫真)

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評価できるのは一日一回だけです。

評価できるのは一日一回だけです。
右手に淡い水色のボールペンを手先で器用に回しながら、設楽はその一文をじっと眺めていた。
一日一回同じものを評価する。それってどういうことだろうか。つまり二日目にも同じものに対して評価を行う。
「ものに対する評価って一個につき一回じゃないのか」
「そうですねぇ」
薬袋梢は大きなクッション上に仰向けで寝転がりながら相槌を打つ。
その両手には八百頁程の文庫本が見開かれていて、小さな彼女の手では頁を送るのも一苦労なように見えた。
彼女と沿うようにして大きな長机が置かれ、対面にはソファーに座った設楽がモニターを眺めている。
「例えば、私の持っているこの本、ぶっちゃけていうとあまり面白くありません。あ、失礼しました。
ぶっちゃけなくても面白くありません」
「じゃあ、読むなよ」
「いえ、中途半端に読んでしまうとそれはそれで続きが気になるので」
薬袋の頁の塩梅から半分くらいまで読んでいることが見えた。
「で、例え話の続きでした。仮にこの本を十年後に読み直したとき面白いと感じるでしょうか」
「どうだろうな。数年後読むと意外と面白かったりするしな」
例えば、学生の頃に国語の授業で読んだ小説だったり。
教科書にすべての内容が記載されているわけではなかったので、
大人になって小説を買った記憶があることを設楽は思い出す。
そういえば「銀河鉄道の夜」や「いちご同盟」なども本棚に収まっている。
「つまり、当時は二点だったものも、後日見てみると三点にアップしていることだったあるんですよ。つまり―――」
「評価が二転三転するとか、そういう落ちはいらないから」
「いやだなぁ、設楽さん。二束三文程度のダジャレなんか言いませんよ」
「言ってんじゃねぇか」
しかも同じ数字を使いまわしてくるあたりに薬袋の頭の回転の速さを実感してしまう。
「だとしてもさ、それならば一人に対して一つの評価なんだから、
点数は加算するのではなくて修正されるべきなんじゃないだろうか」
「なるほど、一理ありますね」
今の話だと、評価が下がることだってあるだろう。
そうしたときに自分のつけた点数を減らすことはできない。
後から点数を減らすなんて後出しじゃんけんみたいな感じで少しの後ろめたさはあるけれども。
「でも、動画サイトはどうでしょう」
「動画サイト?」
「えぇ、あれって再生数がそのまま評価となっていますよね」
言われてみると、よく利用している動画サイトのランキングはおおむね再生数で決められていることが多い。
「それって、なんども見返すほど面白いってことですよね」
「そうだな」
「結局、小説や絵にしたって、本当につまらないものは何年経っても思い返されないのですよ。
思い出されて、また読まれて、そして得点が加算される。
それもまた一つの評価されるべきポイントなんじゃないでしょうか」
薬袋梢はにこりともせずに本へ向かいなおす。
「ポイントなだけに」
「最後のは余計だ」

― 了 ―
 
 
・今回のぽすとすくりぷと

 久しぶりに、某イラストサイトの星マークをクリックしたところ、
 そのようなメッセージ(タイトル名)が出たので、少しだけ疑問に感じて適当に書いてみました。
 ちなみに、この二人組が今まで書いてきた小説の中で一番出しているかもしれない。
 と、あまり作品に対して、つらつらと書くのも蛇足的な感じになってしまうのでここまで。
 とりあえず、3日経っても仕事から戻ってきたときの部屋の焼肉臭が取れません。
 だれが、焼き肉しようとか言ったのだろうか。
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